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短編小説~片思いの告白~

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今週のお題「卒業したいもの」

片思いからの卒業というテーマで短編小説を書いてみました。

 

高校卒業の日、僕は心を決めて彼女のもとへ向かった。彼女はいつも通りに微笑みながら挨拶してくれた。彼女の優しさに触れながら、僕は胸の内に秘めた想いを告げる覚悟を決めた。

「先輩、実はずっと前から、ずっとずっと思い続けていたんです。」

彼女は驚いたように目を見開き、微笑みを浮かべながら言った。

「え、本当に?それって...私に告白するってこと?」

僕は頷いた。恐る恐る、でも確かな思いを込めて告げる。

「はい、先輩。ずっとずっと好きでした。でも今日、卒業の日だから、言わなきゃいけないと思いました。」

彼女はしばらく黙っていた。静かな時間が流れる中、僕は自分の胸の鼓動が耳に響くのを感じた。

そして、彼女は優しく微笑むと、ゆっくりと言葉を紡いだ。

「ありがとう、でも...ごめんね。私はあなたのことを友達として大切に思っているけど、恋愛の気持ちはないの。」

僕は言葉に詰まる。フラれた瞬間、胸に痛みが広がった。でも、同時に何かが解放されたような気持ちもあった。

「分かりました、先輩。ありがとう、僕はこれからもずっと先輩のことを大切に思い続けます。」

彼女は微笑みながら頷き、僕の手を優しく握った。

「ありがとう、それだけで十分だよ。これからもずっと友達でいようね。」

その言葉に、僕は心が温かくなった。彼女の優しさに触れ、自分の気持ちを告げることができたことで、胸の内に抱えていた重い思いが少しだけ軽くなったのだ。

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卒業式の後、彼女と一緒に過ごす時間は幸せなものだった。友達でいることの素晴らしさを改めて感じながら、僕は彼女の隣で笑顔を絶やさなかった。

卒業の日、僕は先輩への片思いから卒業することができた。フラれたという結果もあったけれど、それでも彼女との思い出は僕にとって宝物だ。そして、心から彼女を応援することができたことに、僕自身も清々しい気持ちを抱いていた。

彼女は新たな道を歩み始め、僕もまた新しい出発を迎える。でも、彼女との出会いや思い出は、ずっと心の中に残っていくだろう。そして、これからも彼女の幸せを願い続けることだろう。

卒業の日、彼女に告白しフラれたけれど、それが僕にとっての卒業の意味だった。未来へ向かって一歩を踏み出す僕には、彼女への感謝と共に、胸いっぱいの思い出が詰まっていた。