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もし明日地球が終わるとしたら、何をするだろうか ~短編小説~

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お題「もし明日地球が終わるとしたらあなたはなにをしますか?」

 

僕は、その日の朝早く目覚めた。先生の言葉が頭から離れず、心の中に深く刻まれていた。もし明日地球が終わるとしたら、何をするだろうか。その問いに、僕は明確な答えを持っていた。

勉強も恋愛もお金も興味がなかった。それよりも、会ったことのないお父さんに会ってみたい。母からは、お父さんが早くに他界したと聞かされていたが、僕はどうしても信じられなかった。なぜなら、写真や手紙など一切残されていなかったからだ。

そんな思いが募り、僕は誰にも何も言わず、途方もないお父さん探しの旅に出かけることを決意した。旅の準備を整え、僕は自宅を後にした。

まずは、母からお父さんに関する情報を聞くべく、彼女の実家に向かった。母は涙ぐみながら、お父さんのことを思い出し語ってくれた。しかし、具体的な情報は得られず、お父さんの足取りが全くわからないままだった。

次に、お父さんの友人や知人を訪ねることにした。彼らは皆、お父さんのことを良く知っていたが、彼の行方については何も知らないと言うばかりだった。しかし、一人の知人が教えてくれた情報があった。

「お父さんは、ある科学者たちと一緒に研究をしていたんだ。彼らの研究は、地球を救うためのものだったと聞いているよ。」

その情報に、僕の心は躍り出した。お父さんが地球を救うための研究に関わっていたなら、きっと彼の足跡を辿れば何か手がかりが見つかるはずだ。僕は、その科学者たちを探すことに決めた。

旅は続いた。僕は科学者たちの研究所を訪れ、彼らにお父さんのことを尋ねた。しかし、彼らは研究の内容を秘密にしており、お父さんのことを知る者はいなかった。

諦めかけたその時、一人の科学者が僕に声をかけてきた。

「君のお父さんは、私たちと共に研究をしていました。彼の研究成果は、地球を救うためのものでした。しかし、その研究は途中で挫折したんだ。」

驚きと共に、僕の心には悲しみが広がった。お父さんが地球を救うために努力していたのに、なぜ挫折してしまったのだろうか。その理由を知りたいと思った僕は、科学者に詳細を尋ねることにした。

科学者は僕に、お父さんの研究が道徳の壁にぶつかり、中断せざるを得なかったことを語った。彼は、地球を救うためには倫理的な問題も考慮しなければならないと感じ、研究を断念したのだという。

その言葉に、僕は深く考え込んだ。お父さんは、地球を救うために道徳に立ち向かおうとした。そして、その挫折を乗り越えることができずにいた。僕は、お父さんの意志を継ぎ、彼が挑んだ道徳の問いに向き合う決意をした。

旅は終わりを告げた。僕は帰宅し、母にお父さんのことを話した。彼女は驚きと感動の表情を浮かべながら、僕の決意を支持してくれた。

そして、僕は道徳の事業を興し、地球を救うために立ち上がった。お父さんの研究を継ぎ、道徳の壁に立ち向かいながら、人々に地球の大切さを伝えていく。お父さんとの再会は果たせなかったけれど、彼の思いを胸に抱き、僕は進んでいくのだった。

「もし明日地球が終わるとしたら、あなたは何をしますか?」先生の問いは、僕の人生を大きく変えた。そして、僕はその答えを見つけるために、旅に出たのだった。